「なんだこれは?」とトイレの前の壁を見て驚いているダニエル。壁にくっきりと水漏れのシミ。とりあえず水道の元栓を閉めて、見える範囲での漏れがどれほど広がっているか、地下(縁の下)や2階を調べてみる。どうやら被害は、この壁の裏からはじまっており、そこより上には見られない。地下の水溜りを掃除して、さてさてこれからどうするか。
「壁を切り取ろうよ!」という私に、ダニエルは、首を横に振って、家の建築会社が置いていったファイルを取り出し、水道工事をしてくれる業者をさがしはじめた。これぞと思う一軒に電話をしてみたら、もう会社は存在していなかった。よくあること。
業者に来てもらうにしても、即日修理してくれるとも思えないので、どっちにしても「壁をあけてみようよ~!」と再度提案してみる。う~~~ん...唸るダニエル。
「業者が来ても、壁ぶちぬかれるよ。だったらさぁ、自分たちでキレイにぶちぬいたほうがいいじゃない。それに、ある程度自分たちで原因究明しといて壁の中がどんなだか把握しとかないと、ちゃんと修理してもらったかどうかもわからないよ(よくあること)」と、なんとかダニエルを説得し、壁を切り取ることにした。
パイプに触ってみると、なにやら突起物が。そこから水が漏れている...あ、釘!水道のパイプに釘がささっていた。壁の途中にある白いモールディングを取り付けたときに刺したとみられる釘が、見事にパイプを貫通していた。それが4年という歳月を経て、錆びて砕けて、今回の水漏れをひきおこした。いやこの4年、少しずつ漏れていたはず。これもよくあること。(^^;)嘆いていても仕方がない。壁の中の濡れてぐちゃぐちゃになったゴミ(家が建てられたときに残され壁に閉じ込められたあらゆるゴミ...アメリカのどの家にもある)を掃除した。これだったら自分たちで何とかなりそうと、パイプをカットして修理を試みた。ところが、しばらくしてそこから5センチほど上に、もうひとつ釘を見つけた。2本刺さっていた。「あぁ、もう信じられ~~~ん」とダニエルと笑う。建築会社の工事のずさんさに呆れたのと、水漏れといってもこの程度のもので済みそうだという安堵感から、妙にテンションがあがった。またまた錆びた釘を抜いてパイプを切ってつないで、家中の水道の蛇口をひねり、10分ほど流しっぱなしにする。修理完了!
で、この壁...ぽっかり穴が開いたままで、どうしよう。この際、棚をつけようかとか、子供に何か描かせようかとか、色々とアイディアを出し合ったけれど、いずれ売ることになるであろうこの家。なるべく元通りになるように壁を塗るのがよさそうだ。