数週間前、CCのクラスでKinetic Energy(運動エネルギー) Potential Energy(位置エネルギー)を学んだ後、サムが電気エネルギーについてプレゼンテーションをしたいと言い出した。
電気だのエネルギーだの...の話になると、サムの目の輝きが違う。先日も、先で役に立つかもと買っておいた教材(電気と磁石のキット)を見つけて、テキストを参考にしながら↑のサーキットをサムは一人で作りあげた。見かけはJunkのようだけど、これつなげて、スイッチ(洗濯バサミとアルミホイルで作ったお手製)を入れると、ちゃんと豆球がつくんだよ。(^^)
見てのとおり、ワイヤーはアルミホイルとテープで作り、電池とワイヤーをつなぐためにコインや輪ゴムや洗濯バサミを使うこのキット。なんだか原始的な感じがするけれど、そこがサムのツボにはまったよう。ワイヤーや豆球のソケットがないので、つなぎ目の微妙なズレで豆球がつかないことが多々あって、それがおもしろいんだろうなぁ。常に自分であちこち調節しなおして、やっと豆球がついたときには、満面の笑顔で私に見せに来ていた。
普段はマリのクラスにいるので、サムのプレゼンテーションを見ることはほとんどないけれど、この週はプレゼンテーションで気になることがあったので、サムのクラスに参加することにした。
気になることというのは...豆球がつくかどうか...。しかし、つかなかったらどうしようという心配ではなくて、その逆。ゆっさゆっさと揺られて運ばれたこのサーキットの豆球が、プレゼンテーションの本番でつかなければよいと願っていたのだ。意地悪な母である。プレゼンテーションの最中、準備した豆球がつかなかった時、サムはどのような対処をするだろうか。冷静でいられるだろうか。落ち着いてつなぎ目をひとつひとつ確認して調整できるだろうか。それとも先生や私に助け舟を求めるのだろうか。プレゼンテーションを中断してしまうだろうか。そんなことを思いながら、サムの順番を待った。
さて本番...無事にエネルギーの説明を終え、豆球をつけてみせる段階で、やはりこの意地悪な母がにらんだとおり、豆球はつかなかった。点灯を今か今かと待ち構えていたクラスメートがざわつきはじめると、先生が手伝おうとサムの横まで行ってくれた。しかし、あまりにも原始的でただのJunk(?)にも見えるサーキットだったためか、どこをどう触ってよいのかわからず躊躇している様子だった。そのうちに「手伝ってやってはどう?」というような父兄の視線が私に注がれはじめたけれど、ただ黙ってサムを見ていた。サムは...焦ってはいたけれど、きちんとつなぎ目をひとつひとつ確認して調整していた。先生や私の顔を一度も見ることもなく、黙々と調整し続け、ついに点灯に成功した。
あぁ、とりあえずついてよかったという気持と、ついてしまってちょっと残念な気持が交差した。
本番で準備した機械が作動しないとか、書類が一枚なくなっているなんてことは、(おっちょこちょいな私だけかもしれないけれど)プレゼンテーションではよくあること。格好悪いけど、そういうことを経験しながら、縮こまらずに乗り越える術を身につけて欲しいと願う。ダニエルが見ていたら、やはり「どんどん屈辱を感じろ~!」なんて謳っていたにちがいない。(^^)