Sunday, March 16, 2008

サムのプレゼンテーション(電気エネルギー)

                      
数週間前、CCのクラスでKinetic Energy(運動エネルギー) Potential Energy(位置エネルギー)を学んだ後、サムが電気エネルギーについてプレゼンテーションをしたいと言い出した。

電気だのエネルギーだの...の話になると、サムの目の輝きが違う。先日も、先で役に立つかもと買っておいた教材(電気と磁石のキット)を見つけて、テキストを参考にしながら↑のサーキットをサムは一人で作りあげた。見かけはJunkのようだけど、これつなげて、スイッチ(洗濯バサミとアルミホイルで作ったお手製)を入れると、ちゃんと豆球がつくんだよ。(^^)

見てのとおり、ワイヤーはアルミホイルとテープで作り、電池とワイヤーをつなぐためにコインや輪ゴムや洗濯バサミを使うこのキット。なんだか原始的な感じがするけれど、そこがサムのツボにはまったよう。ワイヤーや豆球のソケットがないので、つなぎ目の微妙なズレで豆球がつかないことが多々あって、それがおもしろいんだろうなぁ。常に自分であちこち調節しなおして、やっと豆球がついたときには、満面の笑顔で私に見せに来ていた。

普段はマリのクラスにいるので、サムのプレゼンテーションを見ることはほとんどないけれど、この週はプレゼンテーションで気になることがあったので、サムのクラスに参加することにした。

気になることというのは...豆球がつくかどうか...。しかし、つかなかったらどうしようという心配ではなくて、その逆。ゆっさゆっさと揺られて運ばれたこのサーキットの豆球が、プレゼンテーションの本番でつかなければよいと願っていたのだ。意地悪な母である。プレゼンテーションの最中、準備した豆球がつかなかった時、サムはどのような対処をするだろうか。冷静でいられるだろうか。落ち着いてつなぎ目をひとつひとつ確認して調整できるだろうか。それとも先生や私に助け舟を求めるのだろうか。プレゼンテーションを中断してしまうだろうか。そんなことを思いながら、サムの順番を待った。

さて本番...無事にエネルギーの説明を終え、豆球をつけてみせる段階で、やはりこの意地悪な母がにらんだとおり、豆球はつかなかった。点灯を今か今かと待ち構えていたクラスメートがざわつきはじめると、先生が手伝おうとサムの横まで行ってくれた。しかし、あまりにも原始的でただのJunk(?)にも見えるサーキットだったためか、どこをどう触ってよいのかわからず躊躇している様子だった。そのうちに「手伝ってやってはどう?」というような父兄の視線が私に注がれはじめたけれど、ただ黙ってサムを見ていた。サムは...焦ってはいたけれど、きちんとつなぎ目をひとつひとつ確認して調整していた。先生や私の顔を一度も見ることもなく、黙々と調整し続け、ついに点灯に成功した。

あぁ、とりあえずついてよかったという気持と、ついてしまってちょっと残念な気持が交差した。

本番で準備した機械が作動しないとか、書類が一枚なくなっているなんてことは、(おっちょこちょいな私だけかもしれないけれど)プレゼンテーションではよくあること。格好悪いけど、そういうことを経験しながら、縮こまらずに乗り越える術を身につけて欲しいと願う。ダニエルが見ていたら、やはり「どんどん屈辱を感じろ~!」なんて謳っていたにちがいない。(^^)
             

6 comments:

kaokiki said...

きこさん、
サム君のプレゼンテーション、凄いですね。上手に作ってるじゃないですか?間違いなく、たあくんは2年生になっても、あんなに上手なボードは作れません!
きこさんのちょっと意地悪な気持ち分かる気がします。男の子だからなんでしょうかね?女の子だったらこう言う時、親が手を出しちゃう(出てしまう?)のかなぁ、と思いながらのちょっと意地悪な気持ち。
優しく、たくましく育ってくれれば良いですね。

きこ said...

kaokikiさん、

好きなことをやっているので、自分なりに時間をかけてあれでも丁寧なものを作るように心がけているようです。でも、色彩感覚が...あまりにもモノトーンになりすぎる傾向にあるので、(なぜか黒と黄色が好きなのよ)「もっと色を色々使って、見た目にきれいなボードにしてよ」といつも言ってしまいます。はぁ~、男の子だからでしょうかね、崖っぷちから落としたくなる?「自分で這い上がってこ~い!」みたいなね。(苦笑)あれがマリだったら、パパがホイホイとお手伝いに行っていることでしょう。(^^)

Anonymous said...

サム君のプレゼンテーション、見せてくれてありがとう~!
すごく良くできていますね。さすが!

うちにも買ってありますよ~、豆電球キット。面白いですよね~、私も子供の頃、夢中になって作った覚えがあります。でも、小学校2、3年生ぐらいだったような、、、。
メガンにはまだ時期じゃないので、もう少し待つ予定でいます。

しかし、きこさんがそんな意地悪だったなんて、意外で大笑いしてしまいました。
でも、もっとも!ですね。
そういう子供達の成長のさせ方もあるのだと、勉強になりました。
うちは女の子2人なので、崖っぷちから落とすことはできそうにないですが。

Anonymous said...

きこさんってすごい母親ですね。(いい意味で)
私だったら、失敗するのを待つなんてとてもできないし、真っ先に出て行って手伝ってしまうバカ母です。
でも、人生失敗や思い通りにならないことってたくさんある中で、どうやって乗り越えるかを学ぶことって大切ですね。
改めて、教えられました。ハア~

何か、子供を見ている時って自分と重ね合わせちゃって、自分が恥をかいたり、失敗したくないから、なるべく頑張って良く見せてあげようなんて手助けしてしまって、何がいいことなのかわからなくなっちゃいました。

見守るって難しいですね。

きこ said...

yukikoさん

意外ですかぁ?!(ハハハ)
でも確かに何かに失敗すると、失敗をしなかったときよりも何十倍も学べるようです。

この日も、もしこのまま豆球がつかなかったら...帰宅途中の車の中でこういうトピックでこういう話をしようなどと、私の頭の中にすでにレッスンができあがっていました。でもこれがあまりにもスムーズにいってしまっていたら「よくできました」で終ってしまって、そこからの発展がなかったと思います。今回はこの情けないワイヤーのつなぎ目を見つめているうちに、そこを移動しているエレクトロンについて彼なりに色々と考えたようで、さらに深くつきつめたくなったようです。いつかこれがまた新しいプレゼンテーションになるかもしれません。

男の子だからなのか、サムだからなのか、何かを自分なりに満足して成し遂げてしまうと、全てをそこでストップさせてしまいます。でも逆に失敗をしたら、何が何でも...という気になるようで、そこからの大きな飛躍が期待できるのです。崖っぶちから落とせば、自分で地上に這い上がってくるだけではなくて、引力をものともしないようなジャンプをしてみせてくれたりするのです。だから、落としたくなるんですかねぇ...(^^;)

きこ said...

mikaさん

この私達が入っているホームスクールのグループのディレクターが、学期のはじめに子供たちのプレゼンテーションについて、「親のプレゼンテーションではないということを心得てください」ということを言われました。サムのクラスはともかく、マリ(3歳~4歳)のクラスで何の手助けもしないというのは、難しいかなと思ったのですが、手助けしないことで、子供たちはさらに豊かに学んでいるようです。

あのマリも「これ言った後に歌うからね」なんてプレゼンテーションの構成を自分なりに考えて準備しています。でも当日になって、やっぱりできないという時があって、そんなときは、空白のままモジモジと立っていたこともありました。私は一生懸命目で「歌うの?」の合図をしたけれど、無理でした。
そんなことをしながらでも、今は自分にあたえられた時間というのがいかに貴重なものかが少しわかってきたみたいで、これ以上何も言えないとか、歌えないというときは、「これで終ります!何か質問ありませんか?」としっかり言って終えるようになりました。私が何もしないことで「自分の時間」という意識をもつようになったのかもしれません。その上、間違えたり失敗するということになれてきて、恥ずかしさや恐怖が薄れてきたのかもしれません。あまりにも母親が嬉しそうにしているので。(キヒヒ)

でも、ふつうの学校に通っている子供たちは、親がいつも一緒にいるわけでないので、そういった面では、自然に鍛えられているのではないでしょうか。

子育てはホント親を育てますよね~。私は毎日痛感しています。(^^)