Wednesday, December 30, 2009

フランスあれこれ

    
Bayeuxの宿にいたロバに餌をやるために、田舎道を歩いていたら、いきなり角の家から女性が出てきて、「牛が通るので、家の中に入らないように門を閉めてちょうだい」と言う。とりあえず、門を閉めたけれど...牛が通る???聞き間違えたかなぁと思っていたら、しばらくすると、向こうの方から、牛が2頭早足でこっちに向かって突進してきた。うっ牛が来てるぅぅぅと、みんなですばやく土手の斜面にのぼった。牛が襲ってくるとは思わないけれど、あの体重で突進されたらこの私でも吹っ飛びそう。(^^;)その後、女性は、牛が道を間違えないように向こうこうの道路をふさぎ、4歳くらいの小さな女の子(その女性の娘?)が両手をいっぱいに広げてもう一本の道路をふさぎ、牛に向かって何かさけんだ。そしてうまい具合に自宅の門の中に誘導した。お見事!

Agnèsにフラックス(亜麻の実)の花の話をきいて、うちでも少し植えてみたら、薄い紫の花のかわいい花が咲いた。しかも、一個の花からあのフラックスが数粒とれる。来年はうちでもフラックス畑を作ってみようかと。(^^)

旅先で知り合ったチョコレート好きのベルギー人に、すすめられて買ったチョコレートの切手。こすると甘い香りがする。旅行中、子供たちは仲の良いクラスメイトにポストカードを書き、この切手を貼って送ったところ、とても喜ばれた。

さて、このベルギー人のお二人Robert &Marieは親子。毎年D-Day(1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦の記念日)をここで過ごすために、このBayeuの宿に2週間ほど滞在している。

 
娘さん(Marie)は、ずっとお父さんと二人暮らし。食事の前に、お父さんのために薬をテーブルに並べたり上着を整えたりと、それは手厚く世話をする。最初は年の離れた夫婦かと思ったほど。「お父さんは、昔とても苦労したの。だから今は少しでもいい生活をしてもらいたいのよ」と娘さんは言う。

お父さん(Robert)が子供の頃、父親(このお父さんの親)は第一次世界大戦で戦い、無地に帰還することができたが、抜け殻のようになって帰ってきた。帰宅して間もなく、父親は子供三人を残して家を出てしまったので、子供たちは、農家をしているおばあちゃん一人に育てられたという。そのうちに第二次世界大戦が始まり、ナチスによってベルギーが占領され、若かったお父さんはドイツのタイヤ工場で強制労働をさせられた。「今でもアメリカ軍を見たあの日を忘れない...あんなにありがたいと思ったことはなかった」と語ってくれた。

ノルマンディー上陸作戦といえば、スピルバーグの映画Saving Private Ryanを見たくらいで、このあたりの歴史については知らないことだらけ。旅を終えたら、このお父さんのストーリーをもとに、中立国であったベルギーがドイツに占領された経緯や連合国のノルマンディー上陸について調べてみようと思った。

とっても親孝行な娘さんと、二度の大きな戦争を経験し、ここまで生き抜いて、こうして私たちに語ってくださったお父さん。この出会いを神さまに感謝せずにいられなかった。
  

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