アメリカはノースカロライナ州在住のクリスチャンファミリーです。2010年の春、田舎に引っ越してちっちゃなファームをはじめました。神様が調えてくださるホームスクール&カントリーライフについて綴っています。
Saturday, July 04, 2009
先生がストライキ?
窓 の外は、とってものどかなこんな風景が広がっているけれど、牛=仕事。朝晩の50頭の牛の搾乳は、雨が降ろうが、雪が降ろうが、不幸があろうが、休むこと はできない。そういう話からだったと思う。子供達の教育のことが話題にのぼって...私たちがホームスクールをしていることを伝えたら、アニエスは、フラ ンスではホームスクールができなくて残念だと言った。普通ホームスクールをしているというと、大変でしょと言われる事はあっても羨ましいと言われること は、ほとんどない。なのでちょっとびっくり。
フランスのママの多くは、仕事をしていて、産休を終えたら保育施設に子供を預け、国や市町村 から補助を受けながら、ある意味精神的にゆとりのある子育てをしている...と思っていた。フランスは子育てがしやすいとか、出生率が高いという話をよく 聞くので、教育に関してもすっかり体制がととのっていて、多くはそれに満足していると、どこかで信じていた。しかし現実は、そうでもないよう。確かにフランスでは、保育制度が充実していて、新生児~2歳児ためには、公立の保育園の他に私立の保育室、家庭保育園、保育ママ、オーペアなどの選択肢があり、3歳からは幼稚園に入れる。子育てがしやすいという理由は、ここにあるのだろう。
しかし、アニエスは言う。フランスの学校教育は、"Catastrophique(悲惨)!"だと。「うちの子供達に読み書きを教えたのは、この私よ。学校 で読み書きを教えないから、私が家で家事をしながら子供達に料理本を読ませて学ばせたのよ」と。学校に行かせながらホームスクールをしているようなものだね。さらに私を唸らせたのは、公立の学校がストライキをするということ。フランスはストライキが盛んな国とは知っていたけれど、学校の先生までも が?と驚いた。ストになると当然学校は閉鎖する。両親が共働きの場合、急場をしのぐため、子供と留守番をしてくれるような人、もしくは家庭教師を雇 うなどしなければ子供たちは野放しになってしまう。しかもここで言うストは1日や2日の話ではない。数週間にも及ぶものだ。そうなると、その間の遅れを取り戻すために学校側ではどういう対処がなされているのか、いささか疑問である。フランスの学校は週4日制を導入しているというから、それをしばらく5日にして補習でもしてくれるのだろうか?
そんなこんなで、フランソワとアニエスは、子供達を私立の学校に編入させた。「私立は、私たち親が先生の給料を払っているわけだから、意見はどんどん取り入れてもらえるし、ストライキなんてこともないからね」と。なるほどなぁ...。日本やアメリカにあるような教育格差よりもさらに深刻な格差が生じているのではないだろうか。いや、教育格差をいえば、階層意識が強いとされるヨーロッパでは、あたりまえのことで、今にはじまったことではないはず。ただ私が知らなかったというだけで、自分の子供の教育に満足しているのは、少数の上流層だけなのかもしれない。
さて、水曜日の朝、アニエスが「今から息子を寮に探しに行くの...今日は学校が休みだから、家に連れ帰ってって仕事をさせるのよ...15歳の子を暇にさせとく とろくなことがないからね」と、言って出かけた。(^^)フランスの学校は、週休2日制のところは、水曜と日曜が休み。週休3日制のところは、水曜、土曜、日曜が休みである。車で15分のところにある学校だと聞いていたが、全寮制なのだろうか?そしてこの日の夕方、牛舎で忙しそうに働く息子さんを見かけた。は~っ、なるほどなぁ!アニエス、あんたはエライよ!!!
「ここでの現実は厳しいわ。昨日まで元気だった牛が今日は病気になっていたり、今朝だって子牛が柵の外に迷い出てたし...でも私はこの生活を愛しているの、都会の生活は、私にとってはあまりにもArtificial(人工的)だわ」と言っていたアニエス。
もっと彼女には聞きたいことがあったけれど、ダニエルの通訳を交えても、それほど込み入った話はできない。う~ん、私自身がフランス語をしっかり学ぶしかないな。
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