昨夜は雷がなっていたので、子供達は、私たちの部屋に転がり込んでくるかと思ったけれど、そんな様子は全くなく、二人でなにやら楽しくおしゃべりしながら眠りについたようだった。
雨が降っていようがおかまいなしの子供達は、海辺に降りるとすぐにビーチコーミングをはじめた。海鳥がつついたカニの殻や貝を拾っては、サンドウィッチの袋に入れていく。お宝さがしだ。
ひんやりとしたブルーグレーの空の下、子供達の黄色いジャケットが忙しそうに動き回る。この色のコントラストが印象的で、今でもこの日のことを思い出そうとすると、額にふりこんでくる雨の冷たさと、この黄色が鮮明に浮かんでくる。
ランチは軽くすませようと決めていたので、車の中でパンとフルーツをみんなで分けた。マリは、ハッチバックになったトランクのドアを屋根にし、外にのり出すようにして桃を食べた。汁で車の中が汚れないようにとの配慮だ。ベタベタになった小さなマリの手をダニエルがボトルの水で洗ってやると、さっぱりした様子で、すぐに昼寝をはじめた。
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