最近よく聞かれる...どんなホームスクールをしているのかと。そこでちょっと書いてみることにした。
ところでうちのホームスクールのスタイルをダニエルはアジャイル(Agile)と呼んでいる。そもそも「Agile」というのは、敏捷とか、機敏に動き回っている印象を与える言葉だが、彼がここ数年押し通してきたソフトウェア開発の方法「Agile」と私のホームスクールに対してのアプローチがよく似ていると言うのだ。
ダニエルいわく、「Agile」というのは、ソフトウェアを開発する上で、そのソフトウェアの詳細な設計をコードを入れている最中に行う方法なのだそうだ。なので、実際のコーディングに入るまでは、設計に時間をかけない。そのためとりかかりが早く、顧客のフィードバックを常に取り入れながら、フレキシブルに対応してゆくことができる。コーディングに入る前に設計に時間をしてしまうのが「Waterfall」という方法で、工場のラインの流れ(この場合は水の流れという意味だけど)をソフト開発に見立てたものだ。この場合、たとえば早期に設計された工程のどこかで問題が生じれば、そこから先は足止めされるか、最終段階で不具合に気付き、修正に膨大な時間を費やすことになりかねないという。その上、顧客からのフィードバックにその都度対応してゆくための柔軟性がない。
ソフトウェア開発の専門知識がない私は「Agile」だの「Waterfall」だの言われても、ピンとこないけれど、確かに、早期に綿密な計画を立てて、それをそのまま実行することはまずないし、よいと思った教材は、手に入れたその日のうちに試してみる。うまくゆけばそのまま続け、うまくゆかなければその日のうちに返却する。先で使えるかもしれないと思いとっておくことはまずない。年度のはじめにClassical Conversationsの学習内容(たとえば、今年度は、アメリカ史や解剖学/からだのしくみ)から、大まかなゴールを決めて、子供達が興味を示すものを細かいUnit Studyにしてその都度掘り下げて学んでいる。最も大切にしているのは、子供達のフィードバック。これが、うちのAgileなホームスクール。
Agileなホームスクールをもっと具体的に例をあげてみると...
たとえば、ヤドカリの生態についてPagoo (by Holling)を読んでいるとき、生まれたばかりのヤドカリがDiatom(珪藻)と一緒にプカプカ浮いているというところで、サムはこのDiatomに興味を持ち、そこから珪藻についてのUnit Studyをすることになってしまった。こんな場合は、いさぎよくヤドカリを後回しにしてしまうのだ。また、今秋から学ぶであろうColumbusのことについて本を読んでいたら、なぜか彼の出身地であるイタリアの話しで盛り上がり、イタリアについてのUnit Studyが出来上がってしまった。地図や地名、火山、宗教や習慣、パネトーネ(パン)の由来などを調べ、来週にはパネトーネ(トニーさんのパンだそう)を作ることになってしまった。マリなんか、今は「新大陸発見」より、「パネトーネ」のほうが断然楽しいよう。(^^)なんだか道草をして遠回りばかりしているようだけれど、これがうちのスタイル。これが一番私にも子供達にも心地よい学び方になってきている。写真は、マリがパン(パネトーネじゃないけど)を切っているところと、サムがRed Sails To Capri by Ann Weil(イタリアの孤島でのストーリー)を読んで、赤いマストのボートを自分で塗ったところ。と、こんな感じだ。
こんな具合だから、ふつうの学校のスタンダードなシラバスをたどっている時間がない。なので先月のように、年に一度のスタンダードテスト目前に、「ひーっ、学校に行っているみんなはこんなことを勉強していたのかぁ」と、ひっくり返ることになる。(^^;)かといって、学年別のスタンダードなシラバスから最低限知っておくべきこと(?)をカリキュラムに前もって組み込んでおくことをするわけでもなく...12歳くらいになるまでには自然に身についているだろうと、かなり安易に考えている私は、Naive(ナイーヴ)なのかもしれない。まぁ、なにはともあれ、楽しくやっているので、今は深く考えずにこれでよしとしよう。(^^)
教材についていえば、主には本(ノンフィクションの物語など)を使っている。教科書は使っていない。あえて要点がハイライトされていないものを選んでいる。このことに関しては、また次回にでも。
いつだったかホームスクールママ友達から、うちのスクーリングは、Classical with Charlotte Mason influencesと言われたことがある。Classicalというのは、Classical Conversationsのグループに入っていて、特にこれといったカリキュラムはないけれど、大まかなアウトラインをそこから得ているからで、Charlotte Masonというのは、教科書的なテキストを使わずにふつうの本から学んでいるうちのスタルが1800年代の英国の教育者Charlotte Masonが推奨した教育法(ホームスクールの基本となったらしい)に沿っているからだという。ホントみんなよく勉強しているよね(私も見習わんとね)。で、せっかく周りが定義してくださったのならと、今そのCharlotte Masonの教育理念の本を読んでいるところ。1800年代の英語は、私にはちょっと難しい~。でも頷けることがたくさんあって、これがなかなかためになっている。余談だけれど、Charlotte Masonは、あの時代のダーウィニズム(ダーウィンが提唱した理論)の影響を受けているとはいえ、クリスチャンだ。イギリスの湖水地方に住んでいたそうで、なんとなくBeatrix Potterを思わせる。どうも私にはこの二人がダブってならない。
ところで上で紹介した本は、どちらも絶対にお薦め!特にCapriのほうは、ストーリーの展開がスローだけれど、この本に出てくるミステリアスなCoveにある洞窟(Blue Grotto)にいつかきっと行ってみたくなるはず。でも、マリにはこのストーリー、不評。男のばかりが出てくるからだとか。(^^;)そういえば昨日、近所にCapriというイタリアンレストランを見つけて、サムとマリが行きたがった。トマトソースが苦手な二人も、これでイタリア料理を克服してくれるかもしれないとちょっと期待している。(^^)