Thursday, December 13, 2007

国際結婚よもやま...ファミリーディナー

                                               
ア メリカ人とに限らず、国際結婚をしていると、家族や親戚の集りなので、よく日本食を作ってくれと頼まれると聞く。うちの場合、ダニエルの親戚は典型的なア メリカンファミリー(?)で、あまり外国の料理(変わったもの)を好まない。しかも、日本食といえば生魚とか臭いもの(納豆のこと?それともキムチと勘違 いしてる?)というイメージがあるようで、いつだってリクエストされるものは、アメリカンなデザートやサイドディッシュだった。

い つだったか、ダニエルのファミリーと日本食のレストランで1度だけ食事をしたことがある。幕の内系のお弁当やてんぷらなどをdifferentとか interestingとか言いながらも食べてくれたのだが、そのレストランの帰り道、マクドナルド(ハンバーガーの)に寄るはめになってしまった。食事 のやり直しといったところだろうか。(^^;)

感謝祭のディナーも、郷に入らば郷に従えという気持で、うちでも数年前までは、ロースト ターキー(七面鳥)、クランベリーソース、マッシュポテト、インゲンのキャセロール、スイートポテト、コーンブレッド、パンプキンパイのような定番料理を 作っていた。結婚したばかりの頃はダニエルが日本食を全く好まなかったので、食卓に並ぶのは一般的なアメリカ料理が主だった。料理の鉄人を見てからだと思 う...ダニエルが日本食に目覚めたのは。以来うちでは日本食がほとんど。

ところで、今年はケンタッキーで、感謝祭翌日のディナーを任せ られてしまった。20人分のディナーを用意してくれという指令である。「感謝祭は、Kikoは料理の心配しなくていいのよ、私達で手が足りてるから」とお 義姉さんに言われたので、なんてラッキー!と思っていたら、それはつかの間のこと。「嫌だったら、できないって言えばいいんだから、プレッシャーを感じる ことないよ」というダニエル。クーッ、そう言われると、絶対に「できない」と言えない私を知っておるだろう。しかしながら、この提案、それほど悪い Dealではない。実は心の奥底では、残り物を食べずに、日本食が食べれることを密かに喜んでいた。
の~ん気なダニエル(三男坊)は、感謝祭の翌日は、みんな自由行動なのだからと、レキシントン近辺を観光して周るつもりでいたらしい。できた嫁の 私は、そんなことは微塵も予定しておらず(冗談)...というより、感謝祭の翌日に観光なんて常識的に考えて無理だろうと思っていた。むしろ、エプロンを スーツケースにパックし、炊事/掃除/その他の雑用に専念するつもりでいた。いや、そこまでの心構えはなかった...エプロンをパックしたのは事実だけど ね。みんなもご主人の実家に行くときにはそうする?とにもかくにもダニエルの兄弟姉妹の集りでは、私が唯一の嫁なので、そうそうのんびりはしていられない のだ。ちなみにダニエルのお兄さん二人(長男と次男)は離婚しており、次男は再婚したけれど、私たちはまだお嫁さんには会ったことがない。三男のダニエル の嫁である私が一番辛抱強いってことだわね?、それは違うか。(苦笑)

ここで感謝祭の翌日の話にもどると...その朝は、ホテルでの朝食 をそこそこに日本食材の買出しに出かけ、その足でShaker Villageでランチを食べ、観光っぽいことをして、午後は義姉の家でディナーの準備をすることになった。義姉の家についてみると、見事にもぬけの殻。 感謝祭の翌日は、どこのお店もクリスマス前の大セールをやっているので、みな買い物や映画に繰り出していた。想像していたとおり、キッチンは、ひっくり 返っていた。そこで今から食事の支度をはじめる私を不憫に思ったのか、ダニエルが汚れた食器を片付けてくれ、床の掃除をしてくれた。これはとってもありが たかった~。

メニューは、焼きそば、ぎょうざ、とんかつ、ちらし寿司、ブロッコリーの胡麻和え、かぼちゃの煮もの、和風サラダといったもの である。日本食といえば寿司だと思っている人たちに、庶民の味を...と思い、こういうメニューにしてみた。しかしながら、これだけの品を1人で作るのは 大変なので、ぎょうざはAjinomotoさんに、ちらし寿司は、永谷園さんにお世話になることにした。かなりズルした。でも、とんかつの二度揚げには、 ちゃんとこだわったので、ゆるしていただこう。

料理は思ったより好評で、嬉しかった。多めに作ったつもりだったけれど、何ひとつ残っておらず、びっくり!!15年前、お嫁に来たばかりの頃には、ダニエルのファミリーがこんなに喜んで日本食を食べてくれるなんて、想像しがたいこと だった。ここ数年のアジアンフードブームに煽られて、日本食にそれほど抵抗を感じなくなってきたのかもしれない。おそらく、義妹や姪が日本人が多いカリ フォルニアで仕事をはじめたり、学校に行き始めたことも影響しているのではないだろうか。時代の流れを感じた。

17年前、三男坊のガール フレンドと紹介され、なんとなくこのファミリーの中で居心地の悪さを感じていた私が、今ではすっかりキッチンの主となり、自分の居場所を確保している。今 までほとんど話しをしたことがなかった同じくキッチンクルー(というより料理長という感じ)の義兄(義姉の夫)のお母さんと、妙に話しが合い、彼女に何か 通ずるものを感じた。一緒に食器の仕分けをしていると、「17年前、あなたとはじめて会った日のことを今でも覚えているわよ」と言われた。彼女自身も、 きっと私と同じく時代の流れを感じていたに違いない。まさか、あのどこから来たかもわからないような小娘と、今こうしてキッチンで意気投合しているなん て...てなことを思ったのかもしれない。だとしたら、もう世代交代の時が来ているってことかな。夏にケンタッキーから遊びに来た姪に、彼女のお婆ちゃん (その義兄のお母さん)が天に召されてしまう前に、レシピやおもてなしのあれこれを伝授してもらわんといかんよ~って、念を押していた自分が、なんだか とってもオバサンに感じたのを思い出す。って、実際オバサンなんだけど。

なぜだか、アウトサイダーである嫁の私が、このファミリーの将来 について、ちょっとした危機感を抱いている。現在二人いるキッチンを仕切ることができる料理人が、そろそろ引退しつつあるのだ。なのに、次のジェネレー ションの中には、その仕事を受け継ごうとする者がいない。近い将来、ファミリーディナーに、KFCやチャイニーズレストランのお持ち帰りがテーブルに並ぶ ことになるのか。だとしたらすごく残念。上記のレストランのことをどうこう言っているわけではないんだよ。食事のことだけではないけれど、ファミリーに受 け継がれてきたよいものが、だんだん消えてなくなってゆくのが寂しくて...ね。

なぜだか、アウトサイダーである嫁の私が、このファミ リーの将来について、なんとか改善策を打ち出そうとしている。そしてそれがおもしろいと言って、ダニエルが笑っている。自分でアウトサイダーといっている 私が、一番インサイダーのようなことを言っているのがおもしろいらしい。確かに。でもダニエル、笑っている場合じゃないっしょ、おぬしのファミリーだが ね。私は知らんよーと言いながらもやっぱり気になる。アウトサイダーだからよく見えるってことあると思う。
       

7 comments:

Anonymous said...

すごいっ、さすがきこさん。
感謝祭翌日といえども、ディナーを一人で任せられて、それをこなすなんて、それも、自分の家のキッチンではない所で、、、う~、見習わなくては、、、。

うちもショーンの実家の町では、日本食の浸透度はまだまだです。
お豆腐を買うのも一苦労。
なので、長期で滞在しに行く時は、いまだに食料品のバッグ持っていってます。
エプロンはもちろん、包丁、まな板も持参ですよ。(義母の家にないの、、、日本人が使うような包丁、ないのよ~)

そんなんだから「日本食を作って」などというお呼びがかかるのは、数年先かも。
ケンタッキー、意外に進んでるのね(笑)。

そうそう、前に「ただの野菜炒め」に塩こしょう、プラスお醤油とお砂糖だけで味つけしたのを出したら、絶賛されたことがありました。
恥ずかしくて、返す言葉がなかったけど、、、。

きこ said...

Yukikoさん、

いえ、かなり手抜をしたのでそれほど大変でもなかったのですよ。それに、レキシントンという街は、Toyotaの工場/日系の会社が近くにあって、ものすご~~く日本人が多いところなのです。なので、日本食/アジア食材は、ここRaleighよりはるかに豊富!ショーンさんのところ、カリフォルニアなのに、場所によっては日本食材の調達が難しいところがあるのですね。あ~~わかるぅ...包丁とかまな板。私も次回は絶対持参しようと思いました。ちゃんと調理できるような包丁やまな板が、なぜかないんですよね。今回肉や野菜を切るのに一苦労しました。

野菜炒めが喜ばれたのなら、餃子なんてのもOKかも。カリフォルニアなのだし、Yukikoさんがキッチンを完全に任される日も近いのでは?でも、それはそれで大変ですよね。(苦笑)

kaokiki said...

私には無理だ・・・。少人数ならともかく、大人数の食事は・・・。
ラッキーなことに私はマーヴィンの嫁にしてはかなり若いので、マーヴィンの兄弟たちは私を姪っ子のような感じで扱ってくれるので、めったに料理を頼まれることは無い。
しかし、マーヴィンのお父さんは私の作るレッドビーンズが大好き。ちょっとアジアンチックにすりおろしたしょうがを入れるのだが、それが良いらしい。
そう言えば、マーヴィンのお母さんの所もまな板が無いなぁ。アメリカ人は使わないのかしら?

きこ said...

Kaokikiさん、

すりおろしたしょうがが入ったレッドビーンズ...なんかすごく美味しそうなんだけど、どうやって作るの?適当でよいので教えてください。

姪のようにあつかわれている...かわいがられているということです!いいですね~。

まな板...どうしてでしょうねぇ。一体どうやって料理をしているのか不思議でなりません。

kaokiki said...

きこさん、レッドビーンズですが、
材料 レッドキドニービーンズ 1パウンド(一晩水につけておく)、ソーセージ1~2本(スモークビーフが一番あっていると思うが、好きなもので)たまねぎ2個(みじん切り)、にんじん2~3本(皮ごとチーズシュレッダーでシュレッド)、チキンストック1QTぐらい、しょうが(すりおろし、ティスプーン2ぐらい)塩コショウ、ハーブ(何でも混ぜて。私はタイム・オレガノ・タラゴン・セージ・ローズマリーなどを各大さじ1ぐらい。
作り方 ①ソーセージを食べやすい大きさにしてフライパンで炒める。たくさん油が出るので油をすてる。
②大きい深いなべにたまねぎ、にんじん、①の油を除いたソーセージ、しょうがを炒める。
③②のなべにレッドキドニービーンズ入れ、チキンストックを材料が完全にかぶるように入れ、強火で沸騰させる。
④沸騰したらハーブを入れて豆がやわらかくなるまで中火で煮る。時々混ぜてくださいね。豆によってはこってりしてしまうので好みによってチキンストックで調節してください。
我が家ではコーンブレッドかご飯と一緒に頂きます。
では、美味しく出来ますように!

きこ said...

Kaokikiさん、

これ、ブログに貼り付けていい?
なんかすごく美味しそうだし。
ここだけにとどめておくのがもったいない気がしてね。

kaokiki said...

きこさん、良いですよ~。
で、書くのを忘れましたがベイリーフも入れてください。
とりあえず試しに作ってみてくださいね。南部の人には結構好評ですよ。