Thursday, November 16, 2006

歩み寄る

先日、「うわー、なんだかすっかりアメリカ人になったね!」とダニエルに言われた。それが良いことか悪いことかは別として、私の言ったある一言が彼にそういう印象を与えたのだ。

そ れは、My contribution will be....(私が貢献できるのは...)という一言。どうしてそういう話になったのかは覚えていないのだけれど、税金、もしくは地域の活動のこと で、私自身がどのように貢献できるかを言っていたのではないかと思う。

「貢献するとか寄与するとか自分の時間を地域のために捧げるってい うのは、愛国主義のアメリカ人的発想だと思わない?」と言ってニンマリと笑っている。逆 に言ってみると、日本人はそういうことにかなり疎い、もしくは自分が一個人として地域のために何ができるかなんて考えている余裕は日本人にはないのではな いかという問いかけだ。少なくともダニエルから見た日本人の姿(これって私のこと)はそうだったのかな。

結 婚15年目に入ったダニエルと私。二人のあいだで結婚当初から心がけていることのひとつに、「歩み寄る」というのがある。これは、国際結婚をしてい る私達がお互いの文化に歩みより、学びあうという意味なのだが、これが15年経った今、歩み寄ったはいいけれど、接点を通り過ぎて、すれ違い、逆の方向に 行っている気がする。すれ違いというと、何かよからぬ方向にと思うかもしれないが、私たちの場合、決してそれが悪い結果を招いているわけでない...と思 う。

結 婚当初の目標は、まず言語から...私は英語をダニエルは日本語を極めるという目標を持ち、 お互いに相手の学習をヘルプするということにした。そしてそれは今も現在進行形で続いている。次 は食文化...ダニ エルはここ数年で納豆以外の日本食を何でも好んで食べるようになった。そう、好んで...だ。私はといえば、アメリカの食文化をササッと適当に通過して、 現在は行事のたびにダニエルの祖先がいたというスコットランド/イギリス/フランスの食文化を少しずつ取り入れるまでになった。

そ して今では、大晦日には蕎麦、元旦にはおせち料理がなくてはダメというのがダニエルで、行事ごとにスコットランドのタータンチェックの飾りを意識するのが 私 だ。子供たちへの読み聞かせも、ダニエルが日本語の絵本を読み、私が英語を読んでいる始末。テレビもTVジャパンだけで、アメリカの番組を一切入れないと 決めたのはダニエルだし、ここノースカロライナでわざわざ日本語の教会に行かなくてもいいと言ったのは私だった。「なんてこったい、そりゃ逆だ」と言われ そうだが、なぜかうちはこれで上手くバランスがとれているのだ。

サ ザンやユーミンを口ずさみ、昭和の時代のテレビのキャラクターに妙 に詳しいダニエル。日本に行くとたちまち変な外人に変身してしまうけれど、そんな彼の おかげかもしれない...サムが「僕は日本人でよかったぁ!」と言って、アメリカに住みながらも日本人であることを喜んでいるのは。

今夜のメニューはおでん。もちろんこれもダニエルのリクエスト。感謝だなぁと思う。

兄弟愛をもって心から互いに愛し合い、
Be kindly affectionate to one another with brotherly love,
尊敬をもって互いに人を自分よりまさっていると思いなさい。
in honor giving preference to one another;
(ローマ Romans 12:10)

2 comments:

fkm said...

きこさんの日記は、いつ見ても、健やかさが伝わってきて、なんだか休まる。
この、おでんも(が?)効果的~!!(笑)

しかし、「どうしておでん?」というクエスチョンが頭の中をぐるぐる。
そういうことだったのかー。

お互いのことを、お互いに尊重しあっているってことじゃないのかな。それにしても、きこさんの書いているとおり、ホント、接点をこえちゃったね(笑)。

きこ said...

最近ちょっぴり寒くなってきたから、おでんが美味しいの!!シンガポールだと辛いカレーっぽいものが美味しそうだし、スパイスの効いた料理がその暑さにぴったりなんだろうね。

そうそう、接点を越えてしまった私たち、これからどんどん離れていくのだろうか...?