今日は、年に一度のバイオリンリサイタル。去年は、はじめて3ヶ月足らずで初のリサイタルだったので、親のほうが緊張してしまったけれど、今年は、なんだかとってもリラックスして楽しめた。下の写真は、ジェニファー先生とサム。

ダニエルいわく、今年は、ボウグリップ(バイオリンのボウの持ち方)が、だいぶしっかりしてきたとか。以前にも書いたと思うが、この年齢の男の子に、バイオリンの練習をさせるのは、至難の技。子供は、一度バイオリンを正しい姿勢で弾くことを覚えても、からだの成長とともに、頻繁に姿勢を調整しなければならないので、やり直し、やり直し...で、嫌になる。この一年間、「パパが言うようにバイオリン弾いていたら、手がつりそうになる、僕はパパみたいに上手にできない」と、泣きべそをかきながら、私の膝に転がり込んでくるサムを何度なだめて、おだてて、練習させたことか。なだめて、おだてて...だ。
ダニエルは、サムに厳しい。何をするにしても厳しいけれど、特にバイオリンに関しては、サムがかわいそうなるほど厳しい。「そんな奴は、バイオリンなんかしなくていい!」とか、「やめてしまえ!」なんてことをしょっちゅう言われているサムのために、私がクッションの役目を引き受けている。ふかふかの気持がいいクッションになりきるのだ。クッションの私は、サムの言い分(涙の訴え)を聞いてやり、サムの背中をさすり、手をもみ、毎日サムの手や筋肉が大きく成長していて、どれほどダニエルと私がその成長を喜んでいるか、それがどんなに祝福されていることかを話す。そして、極めつけは、これ...ダニエルが5歳のときには、バイオリンなんて弾けなかったこと、だから、サムが11歳になる頃には、パパよりずっと上手くなるということを話すのだ。そうすると、みるみるサムの顔にスマイルが浮かんで、力が湧いてきて、また練習を続ける。結構効果的。
でも、私がそんなことを言ったりするからかなぁ...サムは、父親に対して、すごいライバル意識を持っている。そして、ダニエルもサムをライバル視しているようなところがある。見ていておもしろいんだけど、サムが「へたくそー!」なんてダニエルに言われているのを聞くと、楽器選びを間違えたかなと思ったりもする。この際、尺八とか、三味線とか、ダニエルがやったことないようなものにすればよかったのかなって。

リサイタルの後、今年は、バイオリンアンサンブルを作るので、サムに第一バイオリンをという話があった。同年代の子供たちと一緒にピースを演奏するというのは、あらたなチャレンジ。一段と練習が大変になるなぁと思っていたら、「あ、そういえば、パパも...でしたね、じゃぁ、あなたも大人の生徒に混じってやってください」とダニエルが言われていた。そうなのだ、生徒でもないのに、アンサンブルのアンケートが回ってきたときに、私に「パパもやりたいんですけど...」と書いといてと、冗談交じりに言っていたダニエルのその言葉を実は冗談半分に私がえんぴつで書いて、そのまま忘れて提出しまったのだ。でも、まんざらでもなさそうなダニエル。実は、すごくやりたかったんだね。
「4歳からバイオリンを習わせてもらえるなんて、なんてラッキーな奴だ!負けたくないなぁ」とダニエルは言いながら、サムの本の中から、まだサムが習っていない曲をすらすらと弾いてみせる。せいぜい二人でがんばってくださいませ。(笑)